秩序ある安定した社会は人を劣化させる

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日本という国は秩序が保たれていて安心して生きていける素晴らしい国である。

頭のおかしな独裁者もいなければ、過激派組織によるテロに怯えることもない。

女性が夜でも一人で出歩けるし、普通に生きていれば犯罪に巻き込まれることも少ない。

更に日本人は基本的に公共マナーが良く常に周りに配慮した行動をとる。

多くの日本人はそんな日本を誇りに思っており、秩序を乱すような人がいると不快に思うし、注意したりする。

しかし、気付けば日本でうまく生きていくためには空気を読まなければならなくなった。

例えば、電車に乗るときに自然と並んで電車を待ち、降りる人が降りるのを待ってから順番に電車に乗り込むようなことは誰かに教わったわけではなくみんなが空気を読んで行動することで自然に身に付いたものだ。

前例のない行動は批判の対象になる

日本人は基本的に周りを見て行動するのだから一人だけ違う行動をするとすごく目立つ。

そこで優しい誰かが「君のその行動は止めた方がいい」と注意しにくるのだが、それを無視しているとそれまで優しかった人たちが急に攻撃してくるようになる。

もちろん電車に乗るときは列に並んで順番に乗り込んでいく方が効率が良い上に周りを不快にしないのでマナーとして守るべきだが、日本特有のおかしなルールも数多く存在する。

前例のない行動は結果が分からないから説明が難しいし、頑張って説明しても言葉だけでは理解してもらえないのが普通だ。

そんな経験を幼少期から何度もして育った日本人は自分の行動に制限をかけるようになっていく。

周りをみて自分のあらゆる行動が異常でないかどうかが気になって仕方がないのだ。

多くの日本人は「波風を立てるようなことはしたくない」と考えているので
その行動が正しいかどうかではなくみんながどうしているのかが重要なのだ。

争いを生まないために衝突を避けることを優先する

安心安定の秩序ある社会を優先すると、たとえ小さな争いであってもしてはいけないことになる。

多くの人は衝突が起こりそうになると自分が我慢をしてその場を収める。

衝突や軋轢を生むようなことをやる人は少ないので不満があってもだらだらと現状維持になりやすい。

ルールを作っていくことは得意だが、一度定着したルールを変えることは難しい国なのだ。

だから、体質の古い会社は今もたくさん残っているし、その現状を変えたいと思っている経営者の頭を悩ましている。

そうやって現状維持を続ける古い会社はだんだんと競争に敗れていき社会が変わっていくはずだが、日本という国が変わるためにはまだまだ時間がかかりそうだ。

途上国の方が幸せに生きていける理由

一方で途上国では国や社会の規制力が弱く何をするにも自由だ。

むしろ、日本のように生きていくために必要なものが簡単に手に入るわけではないので生き延びるためならなんでもしなければしなければならない。

自分が生き残るためなら他人との衝突も厭わないし、新しいことをして失敗しても失うものがないから思い切ったことが平気で出来る。

途上国は物質的な豊かさもないし治安も悪いのだが、やりたいことを全力でやれる環境なのだ。

秩序ある社会を作り上げた代償は仕事の生産性

日本の社会は秩序を重視しすぎた結果、国のあらゆる規制に加えて目に見えない強力な抑止力によって行動が制限されている。

自分の行動のひとつひとつが周りから見てどうなのか気になってしまいなかなか思い切ったことが出来ないという人は多い。

これが日本にいるとなんとなく感じる閉塞感の正体である。

あれをやると周りに迷惑をかけてしまうのではないかとか、自分のこの意見は誰かと衝突して面倒なことにならないだろうかとかいろんなことを考えてしまう。

その間にだんだんとやる気が削がれて無気力状態になってしまう。

日本人の仕事の生産性が世界的に見ても最悪なのは有名な話だが、その原因は安心して暮らせる秩序ある社会を求めた代償かもしれない。

 

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